Yamaguchi Navigator[やまぐちナビゲーター]

山口市にゆかりのある方々のイチオシを紹介する「Yamaguchi Navigator」。アート的視点を交えながら、お気に入りのスポットや行きつけのお店など、地域の隠れた魅力を思い入れたっぷりに語ります。これを見れば、お決まりの観光とは一味違った旅の楽しみ方ができること間違いなし!ぜひ山口市を訪れるときの参考にしてみてください。

Navigator 06 青山 倫子さん(女優)

豊かな歴史・文化を
たっぷり満喫した
私の山口旅

歴史的な建造物を見て、焼き物づくりを体験して、
温泉に浸かって、ご当地グルメを堪能して…。
見どころたっぷりの山口旅を
女優の青山倫子さんがナビゲート!

画像:ナビゲーター近影
青山 倫子(あおやま・のりこ)
女優。1978年生まれ、千葉県出身。14歳でモデルデビューを果たす。出演したCMは100本を超え、“モデル界のCM女王”と呼ばれる。2002年から女優としても活躍。2006年「逃亡者おりん」でドラマ初主演後、多くのドラマや映画などに出演。特技は日本舞踊、殺陣。

山口市はどこか懐かしさを
感じるまち

これまで山口県には何度か訪れたことがありますが、山口市を訪れたのは2021年の春が初めて。テレビ番組のロケ地としてリクエストさせていただいたのがきっかけでした。
 山口市の第一印象は“初めてなのに懐かしいまち”。日本人の遺伝子に組み込まれているというか…まるで記憶のなかにある場所にタイムスリップしたような不思議な感覚でした。人が温かいのはもちろん、外から来た人を優しく受け入れてくれるまちだなと感じました。

大内文化の栄華を残す
歴史的遺産

普段から建造物を見るのが好きなので、旅先でも美しい建造物に出合えるのを楽しみにしています。山口市には、室町時代に西国一の大名といわれた大内氏ゆかりの歴史遺産がたくさん残されており、周辺の豊かな自然景観と調和していました。
 最初に訪れた国宝瑠璃光寺五重塔は、今も強く印象に残っています。桧皮葺(ひわだぶき)の屋根はゆるやかにアーチを描いていて、よく見ると、最上層のみ屋根の先が強く反り上がっています。これまでに見た力強い五重塔とは趣が違って、塔全体が軽やかで、遊び心があるように感じました。
 続いて訪れたのは常栄寺雪舟庭です。常栄寺は大内氏29代の政弘(まさひろ)が別邸として建てたもの。雪舟庭は水墨画の巨匠・雪舟(せっしゅう)が手がけたそうです。本堂にたたずめば、まるで一枚の風景画を見ているかのよう。枯山水は、そのときの自分の心が投影される気がして、行くたびに新たな発見があります。新緑の季節に訪れたのですが、他の季節にもぜひ訪れてみたいです。

画像:国宝瑠璃光寺五重塔
国宝瑠璃光寺五重塔
※現在、約70年に一度の大改修中。2025年秋完成予定。

初めての萩焼づくりに挑戦

器も大好きなので、焼き物のまちを訪れた際には、陶芸体験をするのも楽しみのひとつです。山口市では、萩焼作家・大和 猛(やまと たけし)さんの窯元で、萩焼づくりを体験させていただきました。萩焼といえば萩市をイメージされるかもしれませんが、実は山口市にも、多くの萩焼の窯元があります。古くから「一楽 二萩 三唐津」と言われるほど、茶の湯の世界で珍重されてきた萩焼は、やわらかで素朴な風合いが魅力です。今回初めて、電動ろくろを体験したのですが、思ったよりも上手にできました。カメラが回っていることも忘れて創作に没頭してしまいました(笑)。完成した器は今も大切に使っています。使い込むほどに表情が変わっていくそうなので、楽しみにしています。

画像:インタビュー中の青山さん

旅の疲れを優しく
ほぐしてくれる温泉宿

夜は湯田温泉にある「松田屋ホテル」に泊まりました。江戸時代から続く老舗の温泉宿で、幕末には坂本龍馬や西郷隆盛など、そうそうたる顔ぶれが利用していたとか。お部屋からは美しい日本庭園が見渡せて、穏やかな時間を過ごすことができました。
 湯田温泉は肌によく馴染むやわらかいお湯でした。白狐が傷を癒したという言い伝えも素敵で、入っていて優しい気持ちになれます。私も体の痛いところを一生懸命お湯にひたしました(笑)。
 翌朝はホテルから湯田温泉駅までを散歩しました。小径が入り組んでいるので、どこにつながっているんだろうと考えながら歩くのが楽しかったです。途中で川が流れていたり、小さな橋があったりと、ちょっとした発見もあってワクワクしました。
 湯田温泉駅前では、巨大な白狐のモニュメントが出迎えてくれました。まちのいたるところに白狐のポストやオブジェがあるので、それらを探しながら散策するのも楽しいと思います。

画像:白狐のモニュメント
白狐のモニュメント(湯田温泉駅)
画像:白狐のポスト
白狐のポスト

ここでしか味わえない
ご当地グルメ

滞在中にさまざまなご当地グルメも堪能しました。
 一つ目は、「東京庵」さんの「そば寿司」です。酢飯の代わりにお蕎麦が巻いてあるのですが、お酢の入ったそばつゆと相まって、まさに巻き寿司感覚。お蕎麦を食べた後なのに、ぺろりと平らげられる美味しさでした。
 二つ目は、竪小路にある和菓子屋「菊寿堂福信(きくじゅどう ふくのぶ)」さんの「すいーとぽてと」です。素材の良さを最大限に引き出した優しい甘さで、サツマイモ本来のコクを感じることができました。
 三つ目は、「春来軒(しゅんらいけん)」さんの「ばりそば」です。まず、お皿いっぱいに盛られた具と麺の量にビックリしました。焼いたパリパリの麺とたっぷりのお野菜、鶏がらベースのスープの組み合わせは、見た目に反してあっさりとした味。酢や酢醤油をかけて“味変”するのも楽しかったです。
 ひとつ残念だったのは、山口県を代表する魚、フグが食べられなかったこと。今度はぜひフグのシーズンに訪れたいです。

京都を模した
風情あるまち並みを散歩

このときのご縁で、2021年の秋に山口市で開催された「まちなみアート my made竪小路」のイメージキャラクターも務めさせていただきました。翌2022年には、世界を旅する画家・加藤照さんが、私をモデルに描いてくださった絵が展示されるということで、再びプライベートで山口市を訪れました。
 「西の京」とも呼ばれる山口市には、室町時代にこの地を治めた大内氏が行った、京都を模したまちづくりの名残があちこちに残っています。当時の中心部だった「竪小路(たてこうじ)」や、鴨川に見立てた「一の坂川」周辺を散策しましたが、全然時間が足りませんでした。気になるスポットがまだたくさんあるので、近いうちに訪れてゆっくり散策したいなと思っています。

画像:
青山さんがモデルとなった画家・加藤照さんによる油絵「螢の候」。
背景には竪小路のまち並みとホタルが描かれている。

関連施設

常栄寺 雪舟庭

室町時代、大内政弘(おおうち まさひろ)が別荘として建てた常栄寺の庭として、画僧・雪舟に命じてつくったとされる日本庭園。広さは約900坪。三方に山林、南側の中央に池を配した池泉廻遊式庭園。遊歩道を散策しながら、眺める場所によって趣の異なる表情を楽しめる。

  • 開園時間:4月〜10月/8:00〜17:00(最終入園時間16:30)、11月〜3月/8:00〜16:30(最終入園時間16:00)
  • https://sesshu.jp
画像:施設外観

山口萩焼ヤマトズギャラリー

現代的なデザインで注目を集める陶芸家・大和猛の工房に隣接する萩焼の展示販売ギャラリー。明治時代に大和作太郎が萩市から山口市に持ち込んだ萩焼をルーツとする。電動ろくろや手びねりによる萩焼陶芸体験や絵付け体験も可能。

画像:施設外観

湯田温泉 松田屋ホテル

1675年創業、340年以上の歴史を誇る老舗旅館。明治維新の志士たちが集った宿としても知られる。志士らが入浴したと伝えられる「維新の湯」は現在も家族風呂として利用可能。史跡が現存する廻遊式日本庭園や数寄屋風造りの本館は当時の面影を今に残している。

画像:施設外観

長州そば 東京庵

国宝瑠璃光寺五重塔がある香山公園の近くにあるそば屋。昔ながらの石臼を使用した、独特の平打ち麺が特徴。蕎麦の実の殻を残した「挽きぐるみ」の二八そばは、そば本来の繊細な風味と香りを楽しむことができる。酢飯の代わりにそばを巻いたオリジナルの「そば寿司」は持ち帰りも可能。

  • 営業時間:11:00〜17:00
  • 不定休
画像:施設外観

菊寿堂福信

明治時代から続く和菓子屋。大正時代の終わりごろから販売されている「椹乃月(ふしのつき)」や「うぐいすもち」など、季節に応じたさまざまな和菓子を提供している。看板商品の「すいーとぽてと」は、サツマイモ本来の素朴な甘さが感じられる一品。

  • 営業時間:10:00〜18:00
  • 定休日:日曜日
画像:施設外観

春来軒 中市店

山口市発祥のソウルフード「ばりそば」の専門店。食べるときにバリバリと音がすることからこの名がついたとされる。香ばしく焼いた麺、ボリュームたっぷりの野菜、そしてさらっとした鶏がらベースのスープの組み合わせがクセになる。お好みでお酢や酢醤油をかけると、また違った味わいが楽しめる。

画像:施設外観

特別特集

  1. 青山倫子
  2. 松村 邦洋

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